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BL小説 「愛と混沌のレストラン」3冊 (高遠琉加) [感想・小説(BL)]

愛と混乱のレストラン (二見シャレード文庫) 美女と野獣と紳士―愛と混乱のレストラン〈2〉 (二見シャレード文庫) 唇にキス 舌の上に愛―愛と混乱のレストラン〈3〉 (二見シャレード文庫 た 2-13)
愛と混乱のレストラン (二見シャレード文庫)
美女と野獣と紳士―愛と混乱のレストラン〈2〉 (二見シャレード文庫)
唇にキス 舌の上に愛―愛と混乱のレストラン〈3〉 (二見シャレード文庫 た 2-13)
作:高遠 琉加  画:麻生 海

昨年の「このBLがやばい!」のBL小説部門・第1位作品。
全巻揃えていたのですが、なぜか読んでしまうのは勿体ない気がしてしまって(この感覚、分かってくれますか?・^^;)この時期まで積み本してしまっていたのですが、来月、この物語のスピンオフが発売されると知り、この3連休中に一気に3冊読破しました!

いや~。この作家さん、前々から思っていたけれど、人物の精神的な部分の描き方がとても丁寧だし、話の展開の運び方が本当に上手い!!
読み終えたその夜は、あえて他事は何もせず、この物語の温かさに浸りながら眠りにつきました^^
(ジャンル:BL)




【あらすじ(第1巻)】
赤字続きで休業に追い込まれたフレンチレストラン「ル・ジャルダン・デ・レーヴ」復活のため、本社外食事業本部から出向してきた鷺沼理人は、若手シェフ・久我修司の引き抜きを試みる。
確かな腕を持ちながら暴力沙汰を起こし、今は実家に戻っているという久我は、理人の依頼を「あんたが気に入らない」と言下に拒否する。
それでも通い続けてくる理人に久我が提示した交換条件は「言うことをなんでも聞く」というとんでもないものだった。しかしある理由から店の再興を失敗できない理人は、その崖っぷちの選択を呑むことに-。“夢の庭”( Le Jardin des Reves ) の実現は果たして-。

【ワタシの感想(ネタバレあります)】

あらすじだけを読んでみたら、BL的には「言うことをなんでも聞く」=抱かれるって事かぃ!?・・・と、構えてしまうのですが、そうもっていかないところが作家・高遠さんの好きなところ。(ワタシ自身、そういう展開ってあまり好きじゃないんで・・・^^;)
で、久我が出した条件っていうのが、パティシエに信頼している樫崎一を使う事とひきこもりの弟・雅紀とギャルソンとして雇う事。(ただこの“条件”、これだけで終わるわけでなく、鷺沼と久我が対立する場面のいろんなところで切り札(?)な言葉として使われたりするんですが・・・まぁ、いろいろ・・・あります^^;)

1巻は本社外食事業本部から出向の支配人(ディレクトール)・鷺沼と久我の、事あるごとに意見が対立しあい、刺々しい空気の場面が目立つ巻です。
「ル・ジャルダン・デ・レーヴ」復活のための裏にはもっと大きな野心があって、その為に好きでもない、興味のないレストランの支配人という立場を引き受けた鷺沼と、料理作りにも自分自身にも自信を持って生きている久我。
まさに水と油!最初から分かり合えるはずはないこの2人が、どういう風にお互いを認めあっていくのか。。。とても興味があったのですが、微妙な気持ちの揺れを感じさせつつも1巻ではまだまだ。

ただ、物語が進むにつれ、少しずつ鷺沼の過去が見えてきて“野心”の理由が分かってくると、それまであまり可愛げのなかった鷺沼に対しての印象や感じ方が変ってきます。
つらい過去を経験から、必死で虚栄を張って、精一杯“社会”に立ち向かい、見返そうとしている姿(心)があまりにも孤独で痛々しくて・・・。
レストランの従業員達にもいまいち馴染む事が出来ず、周りの空間からポツリと抜けて行く姿になんだかジーンとさせられたりしていました。

そういうのも徐々に分かりつつ、意味深な状況を程よいところまで盛り上げて1巻は終わりますが、2巻は一気にそれらが動きます。

鷺沼が唯一自分の“味方”と信頼している本社外食事業本部長・叶の存在やもう一人の心の支えであった“あしながおじさん”の存在、そして明らかになる過去の真実。
ワタシにとってひとつひとつ解けていく“それら”がとても衝撃的で、全て“えぇーっ!?”っていうものばかりでした。
久我のフランス修行時代、恋人だったサラの出現があったり、中盤のある場面で、久我自身が鷺沼に“落ちた”事を自覚したり・・・久我の身辺も動き出します。
かといって、久我と鷺沼の距離感が縮まる事は2巻でもありません。むしろ逆。とにかく鷺沼はそれどころじゃない現実をたたきつけられて、ある意味、自暴自棄状態に陥ってしまいます。
そんな弱っている鷺沼に、肉食系の久我くんはとーとー歯止めが利かなくなってしまうんですね(苦笑)
その行為はとても強引でしたが、でも物語の流れ的には決して“強引(無理矢理)”な展開じゃなく、そうなった流れを素直に受け入れられる描き方が、高遠さんって上手いなーって思えるところのひとつ。

2巻は「えぇ!?ここで終わり!?」っていうトコで続きになります。(3巻持ってて良かった!)

2巻で思い切り広げられた物語がどういう風にまとまるのか。。。
3巻に入っても、まだまだいろんな問題が起こり、最後までどうなるのか・・・とドキドキさせられますが、でも終わってみたら全てが納得のいく結末で矛盾もご都合な持っていきかた(展開)も無く、ホント素晴らしいっ!!
3巻の最後に鷺沼が「ル・ジャルダン・デ・レーヴ」を訪れて、美味しいと涙を流すシーンは思わず読みながらポロリ・・・でした。

他の登場人物(メートル・坊宮、スー・シェフ・北白川、ギャルソン・桃瀬パティシエ・樫崎一、ギャルソン・雅紀)ひとりひとりも、丁寧に描かれていて、誰一人、頭数で揃えたキャラクターはいませんでした。鷺沼、久我を中心に、この3冊の物語の通して、彼ら達の成長やさらに深まる仲間意識の過程も感じさせてもらえます^^

ただ本部長・叶さんはちょっとばかし気の毒だったかな。
たいだいのBL作品は、こういう人物って自分の元から離れて行かれそうになると無理矢理抱いたりする展開もあって、時々ガックリさせられちゃうんですが、叶さんは最後まで“紳士”でした。
本当に鷺沼を大事に思っているんだろうな・・・って感じさせられましたよ。

最後の最後の「ル・ジャルダン・デ・レーヴ」のオーナーの、大ドンデン返し(?)も超ビックリだったし。
1巻から感じていた新鮮な展開は最後まで裏切られませんでした。
広げて、掘って、途中、めちゃくちゃ荒らされて・・・。でも最後はとっても温かく締めくくられていて、読後は本当に優しい気持ちになれました。

BL小説 ザ ベスト第1位・・・。 納得!!

来月発売されるスピンオフはパティシエの一(いち)のお話です。
1巻に短編で載っていて、彼もいろいろと奥の深い事情がある青年のようで気になっていました。
一の過去とこれからの展開がどう描かれているのかとても楽しみです。

あと個人的には久我の弟・雅紀がお気に入りでした。
ひきこもりだった少年が、少しずつ成長していっている姿を読むのは微笑ましかった^^
3巻終わりにはすっかり(心が)たくましくなっていましたね^^
人懐こく面倒見の良い桃瀬先輩も好きだったので、この2人で微笑ましいお話を1本読んでみたかったかなー^^

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コメント 4

瀬木あおい

あんまりBLっぽくないというか
普通の物語でも違和感ないよね?

出る度に読んでた人は、3巻が出るまで
かなりイライラしたんだろうなぁ(笑)。
by 瀬木あおい (2010-01-14 15:06) 

まるこ

》瀬木あおいさん
nice!とコメントありがとうございます。

恋愛面は男女じゃなくBLだからこその良さが上手く出てて、なおかつ物語全体はしっかり設定されてあるから読み応えある作品でしたゼ~(^^)
by まるこ (2010-01-15 00:19) 

まるこ

》アニキングさん
nice!をありがとうございます。
by まるこ (2010-01-15 00:20) 

まるこ

》naonaoさん
nice!をありがとうございます。
by まるこ (2010-01-15 00:20) 

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