So-net無料ブログ作成

BL小説「成澤准教授の最後の恋」 (高遠 琉加) [感想・小説(BL)]


成澤准教授の最後の恋 (角川ルビー文庫)

成澤准教授の最後の恋 (角川ルビー文庫)

  • 作者: 高遠 琉加 画:高永 ひなこ
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/01/01
  • メディア: 文庫


高遠さんのルビー文庫初登場作品です。
やっぱりこの作家さんの作品って好きだわー。今回も感動しました!!
(ジャンル:BL)

【あらすじ】
フランス文学部准教授兼有名翻訳家の成澤は、強い雨の夜、非常階段で死のうとしていた蒼井を助ける。彼は馴染みの出版社の新米編集者だった。なぜかその時の思い詰めた表情が気になり、次の仕事を受ける代わりに、無理やり蒼井を担当に指名した成澤。厭世的で人との関わりを避けてきた自分とは違い、純粋で常に前向きな彼に、恋に堕ちたと自覚した成澤は、どうしても君が欲しいと、蒼井に想いを告げる。しかし、頑なに自分を拒む彼には、癒えない心の傷があると知り…。准教授×新米編集者の身も心も捧げる、最後の恋。

【ワタシの感想(ネタバレあります)】

良かった!感動した~!
物語は成澤(攻)視点で進んでいきます。
成澤は帰国子女で、学もあり、フランス文学部准教授兼有名翻訳家という仕事も順風、恋も全て思い通り計算通り・・・と、全てにソツなく、自由気ままに生きています。
それゆえか、成澤は常に冷めています。何を見ても”つまらない”と思っている。全て揃いすぎているからなんだろうねー^^;
成澤ってちょっと最初はイヤなヤツなんですよー(笑)
でもそんな彼が同級生でもあり、今は馴染みの出版社でもある編集長の葛城に連れられてやってきた新米編集者の蒼井と出会ってから、自分の何から何までをひっくり返されてしまう・・・というか。。。

蒼井は一見平凡で特に目立った何かがあるワケでもなく、存在のインパクトもない普通の青年。成澤も最初は”なんてことない”・・・なんて相変わらず冷めていたんですが、大雨の降る日、立ち寄った出版社で、非常階段から飛び降りようとしている蒼井を見つけてしまい、常に冷静である成澤は柄にもなく衝動的に蒼井を助けてしまいます。
読み終えてみると、もうココから既に成澤はハマっていたんだろうなー、蒼井に。
なのに蒼井は「ただ雨に濡れたかっただけ」と呟くだけ。でもその瞳は何か遠くを見ている。その瞳がなぜか気になり、助けた時に小指を骨折してしまったのを理由に、成澤は自分の担当編集者に蒼井を指名します。

接することが多くなればなる程、どこか掴みどころのない蒼井が気になり始める成澤。
-蒼井には高校時代から片思いをしている人がいる- それを知り、感情そのものが冷め切っている成澤は、純愛なんてあるものかという反発心と、遊び半分な気持ちとで、蒼井にちょっかいを掛けてみたりもします。
蒼井の瞳に見えるが遠くの”何が”が知りたくて仕方がなんですよね。すでに独占欲剥き出し(笑)でも本人はそういう自分には気づいていません(笑)
そんなある日、自分の前では愛想笑いはしても、決して見せない無防備な笑顔を友人の宅間の前では見せている蒼井の姿を見てしまいます。そして直感で「片思い」=宅間と思い込んでしまいます。

宅間は結婚している。叶わぬ恋にいつまでも思っている蒼井に、宅間の代わりとして抱いてやろうなんて奢った気持ちで蒼井を抱く成澤は、なんてヤロウ!・・・ですが、でも心のどこかで嫉妬しているんですよ。自分だけを見ろ!・・・なんてね。
そういう成澤がなぜか憎めない。
こういう部分がこの物語を読み心地よいものにしている一番の理由だろうなーって思います。
単なる強引なヤツだったら、読むだけで嫌悪感だもんね。
成澤のからかい半分からいつの間にか愛してしまっている・・・という心理変化の描写が実に上手く描かれていて、人物達に愛着もってしまいます。

そして知らされる蒼井の真実。ココはかなりきました。読みながら胸が苦しかった・・・。
奢った気持ちで抱いていた成澤が実は自分が道化だった事に気づかされます。もう成澤のブライドはぼろぼろです。
なのに自分の前から去った蒼井を、形振り構わず追いかけていきます。成澤は人を愛する本当の心を知ったんです。
蒼井に伝えたい自分の本当の心の言葉が見つからず、文学の先生であり、翻訳家であり、数々の美しい言葉を操ってきたはずの成澤が、一番シンプルな「好きだ」という言葉しかなかったというのがとても感動的でした。

読み終えたらこの作品とタイトルはピッタリだなって思いました。
『恋でもしたか?』と葛城に聞かれ、答えた成澤の言葉がまたいいんです^^。実に成澤らしい!

同時収録の「春惜月」は蒼井視点の、その後のお話です。
過去への思いに一区切りつけられた蒼井の心が温かく描かれていました。
蒼井の過去の心が優しく包まれていた事にも何だかホッとしました。
成澤の「明日になったら俺の事を一番に考えるように」・・・って言うのが“らしく”て良かった!
成澤先生、明日はあと一時間だけなんですけれどー・・・(笑)
でも、成澤の精一杯の譲歩(優しさ)と、そして蒼井への愛情がこの会話で十分伝わってきて思わずニンマリです(^^)

ほんと、読後感触が最高に良いです!素敵な作品でした!!
高遠さん、またまた大好きになってしまいましたよー!!

成澤准教授の最後の恋 (角川ルビー文庫)

nice!(5)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 5

コメント 6

まるこ

》c_yuhkiさん
nice!をありがとうございます。
by まるこ (2010-02-17 17:22) 

まるこ

》Mayu-3さん
nice!をありがとうございます。
by まるこ (2010-02-17 17:23) 

瀬木あおい

フランス語の准教授って言うのが
なんか興味をそそりますね~(^^)。
by 瀬木あおい (2010-02-17 20:07) 

まるこ

》タッチおじさんさん
nice!をありがとうございます。
by まるこ (2010-02-18 13:58) 

まるこ

》瀬木あおいさん
nice!とコメントありがとうございます。

凄く良いお話だったよ。
この作家・高遠さんの書くBLはホント好きです~(^^)
by まるこ (2010-02-18 14:01) 

まるこ

》naonaoさん
nice!をありがとうございます。
by まるこ (2010-02-18 14:01) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0