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BL小説「ブレッド・ウィナー」 (月村 奎) [感想・小説(BL)]


ブレッド・ウィナー (ディアプラス文庫)

ブレッド・ウィナー (ディアプラス文庫)

  • 作者: 月村 奎 画:木下 けい子
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2011/08/09
  • メディア: 文庫


【あらすじ】
きみの笑顔の隣で生きていきたい。
家出した妻の実家であるパン屋と連れ子の双子を抱え、太一(たいち)は二十四歳にして人生投げやり気味だ。 そこへ店舗の買い手として現れたのが、高校の同級生・長谷部(はせべ)。 太一が売ることを渋ると、彼はパン職人として店でバイトさせてほしいと言う。 忘れたい記憶につながる男と関わりたくはなかったが、 いきいきとパンを作る長谷部はやがて太一の日常になくてはならない存在へと変わり……?
平凡だからこそ愛おしくて幸福な時間って、きっとある。 日常と恋を優しく描く月村奎の原点、ラブ増量&書き下ろしアリで復活!(ディアプラス文庫・新書館より)


【感想(ネタバレあり)】

大好きな月村先生の1999年に発売されてる同タイトルの新装版。
以前のは読んでいないのでこちらで初読み。

やっぱり良かったーーーーっ!!!
月村先生の話はホントにいいっ!!
何度も何度も胸の奥がグッとしたよ。

ホント、いつもいつも読後に平凡と思われる日常がどんなに愛すべき事かを実感させてもらえるね。

ずっと親の期待通り生きてきた太一が、受験失敗という形で躓いてからというのも、転がり落ちる一方のその場、その場のなげやり人生を送り続けている。
素直じゃないし、物事の受け止め方もひん曲がってるし。

学生時代、長谷部を傷つけたエピソードは少しヒドすぎるなーって思いながらも、こういうタイプが逆ギレするとタチ悪いなーって思いながら読んでた。

香恵との絡みもあまり好きじゃなかったかな。
なので最初の方は、やる気ない太一の様子や香恵との会話に少々ゲンナリなりそうなのを救ってくれてたのが双子・万里、千里の存在!!

この双子、ホントにめちゃくちゃ可愛いんだ。
ちょっと生意気な万里とちょっと甘えん坊の千里。
ホントは太一と血が繋がっていないちょっと複雑な関係でもあるのだけれど、とにかく可愛いのだっ!!
(・・・というか、あの母親ってどうよ。)

長谷部が登場してきた辺りから、グググーンと物語に入り込んでしまって一緒になって泣きそうになったり、ホッとしたり、ドキドキしたり・・・。

太一がヒネるのも分かるなって思うほど、太一の実父の態度には腹が立ったけれど、後々になって分かってくる父親の本当の心。
それが万里や千里によって気付かされる・・・。
正しく自分が親と同じ立場になったからこそ分かる親心。
太一が受けた寂しさや傷の裏返しにあった隠れた心の温かさに気付き始めるこの辺りがホントにたまらなく泣きそうになった。

そして、傷つくのを恐れるがあまり、先に相手を傷つけて、その現実から常に目を背けてきた太一が、少しずつ殻を破り、心に強さを持ち始めようと努力出来るようになったのは長谷部の再会、そしてその存在のおかげ。

黙々とパンを焼きながら、太一の側で見守り続けてる長谷部がまたすごくいい。
でもホントは心の中では太一への思いが溢れそうで一杯っていうのもグっとさせられる。

同時収録はその長谷部視点。
父親ともなんとか仲直り出来てるみたいだし、何より、祖父として万里&千里を可愛がる様子が微笑ましい!!
それでも素直に扱えない所がやっぱり太一の父親(笑)!

まだまだ問題は残ってる(で、結局、母親はどーなるんだ?!)とは思うのだけれど、もう逃げたり、なげやったりしない。太一はきっと大丈夫だね。
長谷部とそして子供達が側にいる限り。

平凡な日常が気持ちを変えるだけでこんなに温かく幸せな空間になるものだと改めて気付かせてもらった物語。
これからも何度も読み返したくなるお話でした。
ブレッド・ウィナー (ディアプラス文庫)



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コメント 3

まるこ

》xml_xslさん
nice!をありがとうございます。
by まるこ (2011-08-26 22:28) 

まるこ

》ピンキィモモさん
nice!をありがとうございます。
by まるこ (2011-08-26 22:29) 

まるこ

》あいか5drrさん
nice!をありがとうございます。
by まるこ (2011-08-26 22:29) 

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